デジタル技術の活用で電子帳簿保存法改正に伴う事務作業を軽減

乳安商事株式会社
代表取締役社長
乳井 安大郎 にゅうい やすたろう さん

乳安商事株式会社
明治20年に酒類食品卸売業として創業し、現在はガソリンスタンド事業、保険事業、小型風力発電事業など、地域に密着した事業を展開する乳安商事株式会社。
数々の制度改正に伴い、増大する経理業務の負担を改善するため導入したクラウド型文書管理システムの効果について伺いました。

電子帳簿保存法に対応したシステムの導入

導入したデジタル技術について教えてください。

電子帳簿保存法(※1)が改正され、2024年1月から、事業者は請求書・領収書・契約書・見積書などの書類の電子データを送付・受領した場合、そのデータを一定の要件を満たした形で保存することが義務化されました。

書類のデータ保存の義務化に対応するため、AI-OCR機能(※2)を搭載したクラウド型文書管理システム、「CHO*BO*BOX(ちょうぼぼっくす)」を導入しました。電子帳簿保存法では、データ保存に当たり「改ざん防止のための措置がとられていること」「日付・金額・取引先名で検索機能があること」など、保存要件が定められています。当システムは、請求書や契約書などの電子データをシステム上にアップロードするだけで、AI-OCR機能により必要事項を読み取り、手入力することなく保存要件を満たした状態で書類の保存・管理を可能にします。

また、当システムはクラウド上で書類を管理しているため、本社のみならず他の事業所からでもアップロードや閲覧が可能です。

※1・・・電子帳簿保存法:保存が義務づけられている帳簿や書類を、電子データで保存することを認め、保存に関する要件を定めた法律。
※2・・・AI-OCR機能:画像データのテキスト部分を認識し、文字データに変換する光学文字認識機能のこと。AIの学習機能で読取精度が高く、OCRと比べて使いやすいのが特徴。

アップロード画面(左)とAI-OCR機能による読み取り後の画面(右)

システム導入前は、どのような課題がありましたか。

人口減少等の影響による人手不足の中、電子帳簿保存法に加え、インボイス制度や令和6年度の定額減税などの新たな制度への対応が求められ、経理事務作業の負担が増加していました。また、電子帳簿保存法に対応するため、以前から使用していた財務システムにオプション機能を追加し、書類のデータ保存を行っていましたが、保存の要件である「日付・金額・取引先」の項目をシステムに手入力する必要があり、入力ミスをするなど手間がかかっていました。

そのほかにも、紙で保存・管理している書類を膨大なファイルの中からを探すために、数分~数十分の時間を要すこともありました。

過去の書類の保管庫。コンテナ内には数年分の取引書類が保管されている。

デジタル技術を導入したきっかけは何ですか。

経理担当者の定年退職に当たり採用活動を行っていましたが、思うように進まず、私自身が経理事務を一時的に引き継ぐことにしました。実際に業務に触れたことで、経理業務の負担やアナログな作業を目の当たりにし、時代に合ったやり方があるのではないかと感じたのがきっかけです。

いずれは他の社員に経理事務を引き継ぎたいと考えていましたが、その他の保存要件も複雑なこともあり、このままでは社員への引き継ぎが困難な状況でした。

瞬時に必要な情報を検索可能に、紙削減にも貢献

導入前との違いは感じていますか。

AI-OCR機能により必要項目の手入力が不要になり、データ保存における作業時間が削減されたほか、入力ミスも減り、作業負荷が大幅に軽減されました。また、検索機能により、瞬時に書類を見つけることが可能になり、監査業務などの効率化にもつながっています。

さらに、現在の電子帳簿保存法では紙で送付された書類のデータ保存については義務化されていませんが、紙の書類をスキャナ等で読み取り、データ保存する場合には一定の要件が定められています。当システムはこの保存要件にも対応しているため、紙で送付された書類のデータ保存も開始しています。これにより、年間約1,000枚の書類をデータ化でき、保管スペースも30%ほど削減できる見込みです。

検索画面。様々な項目で書類の検索が可能。

導入にあたって工夫された点は何ですか。

いずれ全社員が扱うことを前提に、シンプルで操作しやすいシステムを選択した点です。

また、導入当初に強く意識していた訳ではありませんが、サブスクリプション型サービスを導入したことも結果として良い選択だったと思います。初期費用が抑えられたほか、システムのアップデートにより導入当初よりも使いやすくなりました。

システム導入等をサポートした企業様の印象をお聞かせください。

弊社の業務内容を十分に理解していただいていることに加え、制度の改正などを含めた最新の情報提供がある点や課題解決に熱意をもって対応していただいている点がとても助かっています。マニュアルを頂いて終わりではなく、導入後の操作方法や運用などのアフターフォローも丁寧にご対応いただいており感謝しています。

また、「CHO*BO*BOX(ちょうぼぼっくす)」の利便性の向上のため、改善要望などのヒアリングが定期的に行われる点も好印象です。

デジタル技術活用で、更なる発展を

今後はどんな展開を予定していますか。

いずれは全事業所での運用を検討しています。各事業所に送られてくる書類をシステムにアップロードすれば、本社で処理が可能となり、業務効率化が期待できるほか、迅速な情報共有が可能になります。

また、蓄積されたデータを利用して、取引データを見える化し、コスト削減や更なる業務改善に繋げていきたいと考えています。

デジタル技術の活用を検討しているほかの事業者様にメッセージをお願いします。

新しいシステム導入は、誰でも不安に思うものです。私も、最初は同じように感じました。しかし、実際に運用してみると、入力ミスも減り、作業時間も短縮されました。その分、より付加価値の高い業務に集中できるようになり、業務効率が向上したことを実感しています。

デジタル化は、もはや選択ではなく、企業の成長に欠かせない要素です。この機会に、デジタル技術を活用し、共にビジネスを成長させていきましょう。

■「CHO*BO*BOX(ちょうぼぼっくす)」について詳しく知りたい場合

https://www.tcs.tokogrp.co.jp/publics/index/194/

システム導入を支援した方からのメッセージ

乳井 安大郎

東光コンピュータ・サービス株式会社
クラウドビジネス課
阿部 昌洋 さん

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当社は、地域の企業様をITでサポートするプロ集団です。お客様の大切な時間をもっと有効に使っていただくために、日々IT技術の研究開発を行っています。
乳安商事株式会社様は電子帳簿保存法対応に関する課題を抱えていましたが、「CHO*BO*BOX(ちょうぼぼっくす)」で解決することが出来ました。当社はシステム導入後もお客様の声を大切にし、常にシステムを改善(アップデート)していくことで、さらなる業務効率化を図っていきます。もちろん導入後の操作方法やトラブル対応もしっかりサポートいたしますので、ご安心ください。
まずはお気軽にご相談ください。お客様の業務に最適なソリューションをご提案いたします。

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