WEBシステムの導入で実現する
業務効率化と新サービスの拡充

有限会社秋田ランチサービス
営業部
伊藤 和之 いとう かずゆき さん

有限会社秋田ランチサービス
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秋田市で事業所向け仕出し弁当の製造・販売を中心に、幼稚園給食、社員食堂運営、高齢者用食事配達等の事業を行う有限会社秋田ランチサービス。1日に約2,000食以上の弁当を製造・販売しており、徹底した衛生管理に励んでいます。WEB受注システム導入後の効果や導入時の工夫について伺いました。

属人的な業務体制の改善が課題

導入したデジタル技術について教えてください。

注文の受付、配達ルートの自動作成、キャッシュレス決済を可能にするWEB受注システムを導入しました。

お客様は弊社のWEBサイトからいつでも注文をすることができ、注文内容は自動でシステムに入力されます。また、配達の際には、注文内容に基づき配達ルートが自動で作成され、配達スタッフのスマートフォンに表示されるとともに、管理者が配達状況を確認できるようになっています。

WEB注文画面。商品を画像付きで確認することが可能。

以前の管理体制では、どのような課題がありましたか。

以前は、注文可能時間に電話やFAXでのみ注文を受け付けていたため、複数のスタッフを配置し、注文内容を旧システムへ手入力していました。特定の時間帯に注文が集中し、お客様から「電話が繋がらない」という声があったほか、聞き取りミスやFAXの紛失などのトラブルがありました。

配送業務では、注文内容のみをスタッフに伝え、スタッフは土地勘や経験に基づき、独自で配達ルートを作成していました。そのため、経験の浅いスタッフは地図アプリなどに住所を1つずつ手入力してルートを作成する必要があり、労力がかかっていたほか、最短経路での配達が徹底されていないことも問題でした。

また、代金は配達時に徴収していますが、盗難や紛失のリスクを削減するため、スタッフの手持ちの現金を減らす工夫が必要だと感じていました。

導入に当たり、何か課題はありましたか。

旧システムや既存の業務フローに慣れているスタッフが多く、スムーズに導入できるか不安がありました。特に、ベテランスタッフや高齢のスタッフはデジタル技術への抵抗感があるため、彼らがいかに新システムを使いこなせるのかが課題でした。

システム導入で新規顧客の獲得&業務効率化

導入前との違いは感じていますか。

WEB注文が可能になったことで、電話やFAXによる注文が減少し、ミスも削減されました。以前は注文対応のために4人のスタッフが必要でしたが、現在は3人で業務を行うことができています。また、WEB注文は24時間いつでも受付可能なため、お客様からは「時間外でも注文できるため便利になった」と喜ばれています。

さらに、以前は法人のお客様が中心でしたが、WEB注文の導入により個人のお客様からの注文を受けることが可能になり、顧客層が拡大したほか、不特定多数が参加するイベントや高校への弁当提供が可能になるなど、新しいサービスの展開にもつながっています。

配達業務においては、最短ルートが自動で作成されるため、配達時間がスタッフ1人当たり20分ほど削減されました。削減された時間でポスティングなどの営業活動が可能になり、新規顧客の獲得につながっています。また、経験の浅いスタッフでも効率的な配達業務を行うことが可能になりました。

自動で作成されたルート。

そのほかにも、配達スタッフはスマートフォンから、配達完了報告を行うことができます。これにより、管理者は配達スタッフの位置や在庫数などをリアルタイムで確認できるようになり、追加注文があった際には最寄りのスタッフへスムーズに指示することができます。最寄りのスタッフだけでは対応できない場合、別のスタッフと連携して配達することも可能になりました。予備として積んでおく弁当の数を減らすことができ、食品ロスの削減にもつながっています。

配達管理画面。配達状況や予備数の確認が可能。

導入に当たり工夫された点は何ですか。

初めに、デジタルに抵抗感のない若手スタッフにシステムの使い方を習得してもらい、周りのスタッフにそのメリットを伝えることで、少しずつ社内に浸透させています。当初デジタル技術に抵抗感があったスタッフも、若手スタッフと一緒に使うことで利便性を実感し、問題なく使用できています。

現在はスタッフの3~4割がシステムを使用して業務を行っており、全スタッフが使用できるようになることが当面の目標です。

導入に当たり、コスト面での不安もありましたが、県や市などの補助金を活用することで負担が軽減されました。その他にも、サブスクリプション型のサービスにしたことで初期費用や更新費用などの軽減につながっています。

デジタル技術を活用して新商品や新サービスの展開を目指す

今後はどんな展開を予定していますか。

デジタル化により業務時間が削減されたため、その空いた時間で新たな商品やサービスを展開したいと考えています。具体的には、個人のお客様向けのサービス強化やWEB注文キャンペーンの実施などを検討しています。

また、弊社はまだ紙を使う業務が多いため、デジタル技術を活用してペーパーレスや更なる業務効率化を推進したいと思います。

デジタル技術の活用を検討しているほかの事業者様にメッセージをお願いします。

導入前は新たな技術に対して不安もありましたが、現在はスタッフもデジタル技術を活用しながら業務を行っています。 また、効率化により確保された時間で商品開発や新規サービスの研究等も可能になりました。

弊社の場合は、導入コストにも不安を感じていましたが、補助金の活用で、 導入のハードルは下がり、新規顧客獲得など想定外のメリットもありました。 補助金を活用しながら、デジタル技術の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

システム導入を支援した方からのメッセージ

伊藤 和之

株式会社トラパンツ

システム導入に当たり、秋田ランチサービス様の既存の業務フローのヒアリングを丁寧に行い、「システム導入前と同じような運用ができるようにしつつ、より便利に、より省力化ができる」ということを重要視して設計・開発を行いました。
初期開発を行った後に試験運用を行っていただき、実際の現場で使用いただいたフィードバックを元に追加カスタマイズを行いました。実際に使用いただくことで新たに発見される課題等もあり、それらを解決してから本運用に進んだため、本運用はスムーズに開始することができたと報告いただいております。
開発会社の理想や予想を押し付けるのではなく、導入元の担当者様をはじめ、現場の方にもご協力をいただき、システムを一緒に作り上げていくことで『「システム導入」が目標ではなく、「業務効率化」を目標とした取り組み』を実現し、課題解決に寄与できたと思っております。
また、万が一システムが停止してしまうとその日の業務ができず、多くのお客様に迷惑がかかってしまう特性があるシステムのため、障害時の対応についても提案をさせていただき、業務が止まらないように環境整備を行いました。
是非、秋田ランチサービス様のサイトからWEB注文をしていただき、昼食注文の業務効率化をしていただければと思います。

株式会社トラパンツ
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実際に活用した支援制度(補助金など)