システム導入によりバックオフィス業務を効率化
デジタル技術を活用した新たな組織体制づくりを目指す

東美マーキング株式会社
代表取締役
佐藤 大成 さとう たいせい さん

東美マーキング株式会社
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美郷町で、オリジナルTシャツやスポーツユニフォームなどのデザイン・プリント・刺繍加工を一貫して手掛ける東美マーキング株式会社。多彩な加工技術により、学校行事やスポーツクラブの応援グッズなど、多様なニーズに柔軟に対応しています。同社が導入したクラウド型の請求管理システムと勤怠管理システムの効果や導入のきっかけについて伺いました。

事業承継のタイミングで、デジタル技術の導入を決意

導入したデジタル技術について教えてください。

業務の効率化と従業員の働きやすさ向上を目的として、クラウド型の請求管理システムと勤怠管理システムを導入しました。

請求管理システムのクラウド化により、従業員は自分のパソコンから経理作業ができるようになりました。外出先からでもログインが可能なため、作業効率が向上したほか、蓄積されたデータを簡単に出力できるため、データの活用もしやすくなりました。

出勤管理システムの導入により、従業員はスマートフォンなどのデバイスで、自身の勤務日数や残りの有給休暇日数をいつでも確認できるようになりました。出勤管理システムから有給休暇や欠勤の申請も可能になり、有給休暇の申請率が向上につながっています。

     

請求管理システム画面。入力データの出力が容易になった。

デジタル技術を導入したきっかけは何ですか。

創業者である父から私へ代表を交代した際に、経理業務の膨大さを実感したことがきっかけです。経理業務にかかる時間を短縮しながら、経営方針の策定に活用するデータを出力できる環境を整えるため、システムの導入を検討しました。

また、代表交代の際に、従業員に対して「ずっと勤めたい会社か」「働きやすい職場か」といったアンケートを実施しました。その結果、厳しい回答が半数以上だったことも、きっかけのひとつです。従業員にとって働きやすい環境を整えるためにも、デジタル技術による業務の効率化や見える化といった取組の必要性を感じました。

システム導入により業務効率化、有給休暇の申請率も向上

導入前との違いは感じていますか。

経理業務において、以前はオンプレミス型のシステムを使用していたため、特定のパソコンから業務を行う必要があり、複数人で作業するためには席を交代する必要がありましたが、請求管理システムがクラウド化されたことで、自席から経理業務ができるようになりました。席を交代する移動時間がなくなり、業務にかかる時間が短縮されました。特に子育て中の私にとっては、外出先や自宅から経理業務ができるようになったことでワークライフバランスが向上したことも、大きなメリットです。

さらに、以前は税理士との月次報告のため、約1日かけてデータを整理し直して、紙の資料を準備する必要がありましたが、税理士にデータの閲覧権限を付与することでリアルタイムでの情報共有が可能になり、資料の準備が不用になりました。以前は税理士に資料を共有してから経営助言をもらうまでに数ヶ月を要し、頻度も年間で2回ほどでしたが、現在は1ヶ月ほどで経営助言を貰えるようになり、スピード感のある経営方針の策定や判断が可能になりました。

そのほかにも、クラウド型のシステムを導入したことで、停電等のトラブルがあった際にもクラウド上にバックアップがあることにより、セキュリティ面の安心感にもつながっています。

また、勤怠管理システムにより、有給休暇日数や出勤状況を従業員自身がスマートフォンで確認できるようになりました。

以前は、有給休暇の日数を従業員が把握するためには、上司に対して口頭などで確認をしなければならず、有給休暇の取得の心理的ハードルが高いことに課題感がありました。現在は従業員が好きなタイミングで状況を確認できるようになったほか、管理職としても、従業員の有給休暇日数を一覧で確認でき、計画的な取得への働きかけが容易になりました。これにより、有給の申請率は以前と比較して約2倍ほどに向上しました。

出勤状況や有給休暇の申請が自身の端末から可能。

導入に当たって工夫された点は何ですか。

デジタル機器に慣れていない従業員へのフォローについて、まずは私が操作方法を把握した上で、特定の従業員にレクチャーを行い、その人から他の従業員へと使い方がじわじわと広まっていくような流れを作った点です。操作の難しいツールを避けて直感的に使えるものを選定したことも、習熟を早める要因になったのではと思います。

また、新しいシステムの導入を単なる「効率化の押し付け」にしないためのフォローも行いました。「なぜこのシステムを入れるのか」、「それによって作業がどう楽になるのか」という目的や効果を、理由を添えて丁寧に説明することを心がけました。

デジタル技術を活用しながら新たな組織体制づくりを目指す

今後はどのような展開を予定していますか。

生成AIを活用して、より業務効率化を進めたいと思います。今回は社内の請求管理、勤怠管理などのバックオフィス業務を中心にデジタル化を進めましたが、顧客の注文を受け、分かりやすく整理してくれる「AI受注チャットボット」や、社内規定やルールを読み込ませた社内専用のチャットボット等の取組を構想しています。

また、弊社は令和7年12月の事業統合に伴い、従業員の数も以前と比較して倍以上になりました。新たな組織体制や業務フローの策定において、デジタル技術を活用して統合前よりも効率的な仕組みを構築できるよう取り組んでいきたいと思います。

そのほかにも、従業員には先日、人材開発支援助成金を活用して、AIなどのデジタル技術について、研修を受けてもらいました。これからも、デジタル技術により業務を効率化しながら、社内のデジタル人材の育成にも引き続き力を入れていく予定です。

デジタル技術の活用を検討しているほかの事業者様へ、メッセージをお願いします。
経理や総務等のバックオフィス業務に大きな負担がかかっている場合、デジタル技術の導入は非常に有効です。デジタル技術の導入により、業務効率化のみならず経営判断のスピード向上にも役立ちます。データに基づいた経営判断やそのスピード感が、企業の成長と安定に不可欠であると思います。業務量が多く忙しい中小企業の経営者へ、デジタル技術の導入を強くおすすめします。

実際に活用した支援制度(補助金など)