県では、産業分野の競争力強化やデジタル技術の活用による地域課題等の解決を図るため、令和3年度からデジタル・トランスフォーメーション(DX)の先行事例を創出するDX加速化プロジェクト形成事業を実施しております。この度、本事業を活用し、スリー株式会社が、3Dデータを活用した文化財の新たな継承サービスを開発しました。
開発したサービスの概要
■開発企業
スリー株式会社
■開発したサービス
文化財の新たな継承モデルサービス「秋田県文化財デジタルアーカイブツアー」
最新の測距センサー内蔵の360°撮影カメラを使用し、空間スキャンで空間計測と360°CGデータの合成を行うことで、文化財建造物のデジタルアーカイブ化を行うサービスです。
また、文化財に関する知識を楽しく学べるクイズや視点変更が可能な収蔵品の3Dモデルなどのコンテンツも実装することができ、一般の方だけではなく、学校教育での活用も期待されます。
県内の文化財について、中学等の教育現場でデジタルアーカイブ化したコンテンツ等を活用をしている様子
開発の経緯
全国の建造物の3D撮影を請け負う、スリー株式会社。
取引先を通じて、昨今の頻発する自然災害で貴重な文化財建造物が多く破損する中、創建時の図面しか残っていないなど、改修記録や建具の意匠などの情報が不十分なことから、復旧が難しいという問題があることを知りました。
そこで、次世代に文化を継承する上で災害に備え、復旧に活用可能なデータを保存かつ包括的に管理することが重要だと考え、このサービスの開発に至りました。
今後の展望
自治体や文化財関連団体などをターゲットに、文化財建造物での導入実績を増やしていくとともに、教育向けコンテンツとしての活用も提案し、地域に根付いた文化財の継承活動の一助となることを目指しています。
また、建設業では、竣工時の検査確認など、建造物データの保存のニーズがあることから、建設業向けのサービスも展開する予定です。